協議離婚という手段で離婚を成立させることが出来ない場合、すぐに裁判を起こすという事ではありません。
離婚裁判の前に、調停離婚という手段を取る必要があります。
調停離婚は、裁判所に調停の申立を行う事で、離婚に向けての話し合いが行われます。
申立書については、家庭裁判所で入手することができますが、申立書に記載する内容については、離婚をする動機などを記入する必要があります。
離婚調停申し立ての理由はどんなこと?
調停の申立を行う場合、離婚になる原因、婚姻関係が破綻に至る経緯などを詳しく記載しなければなりません。
申し立ての動機欄には、次に示す内容について詳しく記載することが求められています。
例えば、「性格の不一致が原因」で、「夫婦関係に深い溝が出来ている場合」や「不貞行為などの異性関係についてのトラブル」などもあります。
また夫の暴力が原因で精神的、肉体的に大きなダメージを受けている、酒やギャンブルなどが原因で多額の借金を抱え、生活困窮に陥っている、その他異常な性格や精神的な虐待、生活費を一切渡さないなどの問題があります。
これらの内容について、調停では夫婦でどのような話し合いを進めていくのかなど、詳しく話し合いが行われます。
離婚調停の内容と方法
離婚調停の手続きについては、住所にある家庭裁判所で受け付けています。
全国各地にある家庭裁判所でも受け付ける事ができますので、夫婦合意のもとで調停場所を決定してください。
家庭裁判所では、裁判官の指揮のもと調停委員と呼ばれる人が、夫婦の間に入ってそれぞれの意見を聞き入れます。
調停委員には、離婚についての強制力はありませんので、双方の意見を合意させるよう話し合いが進められます。
通常裁判官は、調停離婚が成立する期日以外は、顔を出しませんので、裁判とは全く違った環境で話し合いを行う事ができるでしょう。
また調停の場合、相手と顔を合したくないと一方が希望した場合には、話し合いの最中に顔を合わす必要もありませんので、待合室を別々にするなどの対応が取られています。
夫に暴力をふるわれている場合は特に、顔を合わす事に恐怖を抱いている事がありますが、調停では面会することなく、話し合いができますので、冷静に離婚に向けての判断ができるでしょう。
離婚調停申し立ての手続き方法
離婚を申し立てた人が、相手に所在地を知られたくない場合でも、その旨を調停委員に事前に相談することで住所などを知られる心配もありませんので、特に暴力が原因で離婚という道を選んでいる人にとっても安心できると思います。
調停の申立を行う場合には、全国各地にある家庭裁判所の窓口で用紙が無料で入手できます。
東京家庭裁判所等一部の裁判所では、来所しなくてもFAXなどで申立書を入手できる方法もありますので、都合の良い方法で、必要書類を整えるようにしましょう
同居をしている夫婦は、住居地の家庭裁判所に申立をおこない、別居をしている場合は、相手が住んでいる住所地の家庭裁判所に申立をおこないます。
離婚調停申し立てにかかる費用は?
協議離婚の場合に比べると裁判所に申し立てる調停離婚には、いくらか費用がかかります。
各裁判所や調停の内容によっても若干異なりますが、印紙代の1200円と呼び出し通知に必要な切手代の800円程度が必要となります。
調停を申し立てる場合には、住所のある家庭裁判所が一般的ですが、すでに別居といった生活を送っている場合であれば、夫婦が合意する全国にある家庭裁判所のいずれかを選択することができます。
本当に離婚をした方がいいのか迷っている場合でも調停が出来る
離婚をするかどうか、気持ちに迷いがある場合でも裁判所に調停の申し立てを行う事ができます。
調停というのは、離婚を前提に話し合いが進められるというイメージがありますが、申立書には、離婚を求めているのか、それとも円満調整を求めているのかを記載する欄が設けられています。
つまり離婚をするべきか迷っている場合でも、調停の話し合いによっては、もう一度円満にやり直したいという方向性で調停を進める事が可能なのです。
夫婦関係にヒビが入り、冷静に判断出来ない状況にある場合には、円満調整を希望してみるのも一つの方法です。
申立人は、調停の話し合いの結果によっては、申立を取り下げる事もできます。
調停離婚に関する記事
- 調停離婚とは何?どんな離婚方法?
- 離婚調停のメリット・デメリット
- 離婚調停委員とはどんな役割でどんな人?
- 調停離婚に出頭するのは誰?相手が来ない時は?
- 調停離婚の調停申し立て方法と注意点
- 離婚調停の際に着る「服装」や「印象」をよくする為の心がけ
- 調停離婚と裁判の違い
離婚したくないのに相談出来ずに悩んでいる方
など、具体的な離婚回避方法や、夫婦の修復について知りたいのであればこちらを確認してください。 |
離婚したいのに出来ずに悩んでいる方
|