夫(妻)の借金が原因で離婚したという話は珍しいことではありません。
ギャンブルに競馬、ブランドの買いあさりに風俗遊び飲み歩きなど、収入のほとんどを自己の欲求を満たす為に使いそれでも満足できず、消費者金融からも借金をするというパートナーを抱え頭を悩ませている方もいるでしょう。
多額の借金を抱えてしまっては幸せな結婚生活を続けるのはとても難しく、大抵は離婚を決意するものです。
家族のことを一切考えずに自己欲求のために多額の借金を抱える人は、ろくな人間ではないといったイメージもあります。
しかし、中には仕事もまじめ人間関係も良好で何より家族の事を大切にするなど、一生懸命生きている人でも借金地獄に陥ることがあるのです。
まじめな人が引き起こす借金地獄とは
予想もしないまじめ一徹の配偶者がある日突然「多額の借金を抱えてしまった」と告げられたらどうしますか?
生真面目で友達や家族思いの方が借金を抱えてしまうその原因は「保証人」です。
借金の保証人には単なる「保証人」と「連帯保証人」といった名称がありますが、いずれの場合も主債務者が借金の返済ができない状況になった場合、保証人が返済をしなければいけなくなりその途端に多額の借金を抱えてしまうことになるのです。
友人、両親やご兄弟、会社の同僚など信頼している間柄だからと何の不安もなく、手を差し伸べてしまったその温かい気持を踏みにじるかのように突然襲い掛かる借金という不幸は保証人になってしまった当の本人だけでなくご家族への負担も大きくなります。
まじめな人だからこそ、他人の借金だけで離婚という決断をするのは気が引ける、しかしこのまま多額の借金を抱えているパートナーと結婚生活を続けては将来が不安という場合には少なからず離婚が脳裏をよぎるはずです。
ここでは、まじめな配偶者が他人の保証人で借金を抱えてしまった場合、離婚がいいのかそれとも他に方法があるのかを考えてみましょう。
保証人とは
まず、単純保証の「保証人」には催告と検索の「抗弁権」が与えられますので、万が一債権者から借金返済を請求されることが起きた場合「先に主債務者に返済要求をして下さい」と強く申し出る「催告の抗弁権」が実行できます。
また、主債務者が借金返済に充てられるような、財産を隠し持っているといった情報がある場合はそれを売却し、返済できるはずであるという情報を債権者に伝えられる「検索の抗弁権」が実行できます。
保証人による多額の借金を抱えてしまいそうな状況になった場合で離婚を回避したいのであれば、まずは上記2つを実行しなんとか借金返済を免れる方法を考えてください。
連帯保証人とは
次に連帯保証人ですが、一般的な借金では「連帯保証人」として処理されます。
連帯保証人には抗弁権が与えられない為、主債務者が借金返済ができないと債権者に判断された場合には主債務者と同じく、返済義務を果たさなければなりません。
そのため、他人が作った他人の借金のために汗水流し働いた収入の中から、毎月多額の借金返済を行なわなければなりません。
夫婦の生活のために作った借金ではない為、離婚後連帯保証人となった元配偶者のみが厳しい生活を強いられることになり、一方の元配偶者には何ら影響はないでしょう。
いずれの場合にせよ、他人の借金返済のために夫婦生活は次第に圧迫され、夫婦関係も悪化の一途をたどることが予想されます。
連帯保証人に名乗りを上げた配偶者は信頼しているご友人やご家族に裏切られたというメンタルの悪化。
そしてもう一方の配偶者はなぜ他人の借金を自らの収入で払わなければいけないのかという怒りが募るばかりで、遅かれ早かれ夫婦生活は壊れてしまうはずです。
借金まみれの生活から逃れたいのであればいち早く離婚を決意した方が賢明な選択かもしれません。
さらに、連帯保証人や保証人として名乗りを上げた人はご家族の将来のことを考え、残念ですが離婚の申し出を受け入れるのが家族にできる唯一の償いになるでしょう。
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