夫婦の間で行なわれる金銭の貸し借りに特別な手続きをとらないのが一般的です。
なぜなら、離婚を前提に結婚生活を続ける夫婦が存在しないからです。
しかし、婚姻期間中に義理の両親や義理の兄弟に何かしらのトラブルが発生しパートナーに貯金を貸したり、自分名義の借金を作ることもあるでしょう。
「あとで必ず返すから」夫婦関係が上手く行っている間こそ、その言葉を信じてしまいがちですが、夫婦関係が壊、離婚という道を選択せざるえなくなると離婚後、婚姻期間中に元配偶者に貸したお金はスムーズに返済してもらえません。
場合によっては返済を断られる可能性もありますので、婚姻期間中に口約束で行なわれる夫婦の間の借金をどう対処したらいいのか考えていきましょう。
借用書の必要性
夫婦以外の方にお金を貸す場合には、必ず「借用書」というものを作成します。
例え、相手が信頼のある友人であっても後のトラブルを避けるためには絶対に必要な契約書となります。
借用書の正式名称は「金銭消費賃貸契約書」と言われていますが、貸し借り自体があったと証明する重要な書類となります。
クレジット会社や銀行などからお金を借りる場合には、様々な手続きを行なうのは当然のこと、しかし顔見知りの人間との貸し借りの場合、口約束にする人が多いのが現状です。
口約束で金銭の貸し借りを行なった場合、貸した相手が万が一「私は借りていません」と言ってしまえば、その時点で貸した借りたの事実を証明することが難しくなるでしょう。
信頼していた友人であればあるほど、人間関係が大きく崩れてしまう原因となります。
きっちりとしたけじめと友人関係を壊したくないのであれば借用書は必ず作成することをおススメします。
ただ、借用書には法的に回収する効力が無い為、確実に返済してもらいたい気持ちがあれば法的回収力を持つ公正証書の作成を行なうようにしましょう。
夫婦間の借金でも借用書を
借用書の重要性が理解できたところで、夫婦の間に発生する借金の場合を考えていきましょう。
夫婦であるとはいえ、いつなんどき二人に離婚という危機が迎えるかわからないのが男と女の関係です。
最悪の事を想定しての結婚生活は楽しくないのでは?と考える人もいるでしょう。
ただ、夫婦といえ金銭についての取引をきっちりと行なっておくことはとても重要です。
お金の大切さや無駄遣いの防止のためにも夫婦の間における借用書の作成もとても重要です。
特に結婚前の預金や不動産などをパートナーに貸す場合には十分な注意が必要です。
信頼しているパートナーとはいえ、人間返済ができないまでに追い詰められてしまうと自分を真っ先に守ろうとする生き物です。
またパートナーのご兄弟、ご両親のために貸したお金であればなおさら配偶者よりもご両親やご兄弟の立場を守ろうとするパートナーも多いでしょう。
それが原因で離婚といった状況になることはとてもよく耳にする話しですから、夫婦間でお金のやり取りを行なう場合には、必ず借用書もしくは公正証書を作成するようにしましょう。
それが嫌ならば、パートナーに貸したお金は「貸したものではなく、あげたもの」と割り切り、離婚後一切の返済要求を行なわないのが賢明です。
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