子供との面会交流権とは?
我が国では離婚した夫婦の約8割超で、母親側が子供の親権を獲得しています。
子供の親権を妻(母親)側が獲得した場合、夫(父親)側が自由に子供と会えなくなるというケースは意外に少なくありません。
民法では親権を獲得できなくても、子供に会い、交流できる権利(面会交流権)が定められています。
離婚後に子供と会えなくならないよう、離婚時には次の3つのポイント
を押さえてしっかり面会交流についての取決めをしておきましょう。
1.取決めのタイミング
面会交流の取決めは離婚前の夫婦の話合い時に行ないます。
離婚に際しては財産分与や慰謝料、子供の親権などの話合いをしますが、同時に親権がなくても子供と会えたり交流できる面会交流の取決めをしておくべきです。
話合いがスムーズに進まない場合は、家庭裁判所の離婚調停の申立てをしてください。
調停の場で面会交流の問題をハッキリさせる事ができます。
もし調停での話合いも不調に終わった場合は、家裁の審判官が決定を下してくれます。
2.取決めの内容
子供との面会交流で決めるべき内容は次の通りです。
(1) 面会の回数(月に○回もしくは年に○回など)
(2) 面会の時間(1回当たり○時間など)
(3) 面会の連絡(夫婦で連絡する、事前に決めるなど)
(4) 面会の場所(どこで会うか、宿泊の有無など)
(5) 面会の方法(どのように会うか、会わせ方など)
(6) その他の取決め(定期的な面会交流以外の部分※)
※手紙や電話のやりとり、誕生日や季節のプレゼント、学校行事への参加など
実際問題として「ここまで詳しく決める必要があるのか」と思う人もいるかもしれませんが、離婚後の生活がどのように変化するのかは誰にも予測できません。
元妻が再婚して遠方に引っ越したり、生活環境が変わってしまう場合もあります。
再婚後のご主人(夫)の考え方によっては「会わせたくない」となる事もあるでしょう。
いかに民法で定められているからといって、常にスムーズに子供に会えるとは限らないのです。
何事も取決めは最初が肝心、がっちりとした約束をしたうえで「離婚協議書」などの書面に記載して残しておく事が重要です。
3.面会交流が不可なケース
親権を持たない親との面会交流は、あくまで子供の利益や福祉を最優先に行なわれます。
子供が父親に会いたくない、金銭をねだる、復縁を迫る、母親の悪口を言う、子供を連れ去ろうとする等の行為があれば面会交流の制限や停止もあり得ます。
子供の養育費を払わなかったり、元妻(子供の母親)に対して暴力など問題のある行動をした場合も面会交流制限や停止になる可能性が高いでしょう。
子供との面会交流は権利とはいえ、母親やその家族などの協力がなくては成り立たないのです。
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