セックスレスは法的な離婚原因
夫婦の一方が離婚調停や裁判の申立てをするには「法的な離婚原因」がなくてはなりません。
法的な離婚原因は大きく分けて次の5種類です。
- 配偶者の不貞
- 悪意の遺棄
- 生死不明(3年以上)
- 強度の精神病
- 婚姻継続の困難
上記のうち、(5)の婚姻継続の困難、すなわち結婚生活を続けていくのが難しいという原因の中にはセックスレスも含まれます。
同じセックスレスでもお互いに性交渉に関心がないのであれば、法的な離婚原因になるとはいえません。
離婚原因として認められる可能性があるのは、夫婦の一方が性交渉を拒否している場合、もしくは性交不能というケースです。
セックスレス離婚の慰謝料は?
夫婦が結婚生活を続けていくうえでセックスレスは問題になると判断されれば慰謝料の請求は可能になります。
その場合の慰謝料の相場は100万円程度が目安ですが、すべてのケースで慰謝料が100万円になるわけではありません。
セックスレス離婚の慰謝料は次のような要素で決まります。
- 性交渉がなかった期間の長さはどのくらいか?
- 性交渉がない事が原因で夫婦関係が破綻したか?
- 性交渉がない事が離婚の原因になったのか?
このような要素を含めた判断で標準的な慰謝料は100万円程度、ケース別にいうと50~200万円程度といえるでしょう。
なぜセックスレスは離婚原因になるのか
夫婦の性交渉がない事が離婚原因になると判断されるのには次のような理由があります。
- 夫婦は精神的かつ肉体的に結び付いているべき
- 性交渉をするのは夫(妻)の義務の一つである
- セックスレスから浮気(不倫)に走りやすい
- 性交渉がないと夫婦の信頼関係が壊れやすい
- 性交渉を拒否されると精神的に傷付く
夫婦に性交渉がないのは問題という考え方に加え、セックスレスから結婚生活が崩壊する可能性があるという考え方もあるわけです。
もちろんセックスレスでも夫婦関係が上手くいっているというカップルは問題ありません。
慰謝料請求には証拠が必要
セックスレスが原因の離婚申立てや慰謝料請求には証拠が必要になります。
一般的に証拠として提示できる物としては、セックスレスの状況を記述した日記、セックスレスの記録、相手がセックスレスを認めている文書などです。
夫婦のセックスレスは不倫や家庭内暴力とは異なり証明が難しい部分があります。
少なくともセックスレスの記録は必要ですので、慰謝料を請求する場合は詳しい記録を取っておくようにしてください。
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