他の国と比較すると日本は自由に離婚ができます。
いかなる理由であっても、夫婦が離婚理由に納得さえすれば、裁判を起こすこともなく離婚が成立します。
その際、関係機関に離婚届けの提出は必要ですが、第三者を介入させる必要はありません。
ただ、夫婦のどちらか一方が離婚の理由に納得せず合意に至らなかった場合には、協議離婚の次の手段として裁判で離婚判決を求める必要があります。
裁判による離婚判定を求めるには離婚理由を明確にすることが条件で、内容次第では離婚が成立しないときもあります。
離婚が認められる原因って?
離婚原因として一般的に考えらるのは「配偶者の浮気」「不倫」「DV」「借金」「浪費癖」があります。
ただ、非常に残念なことに、これらすべての理由が必ずしも離婚理由として認められているわけではありません。
幸せな生活を踏みにじったと感じる事柄は人によって様々で、大小関わらず離婚の理由として認めてもらいたいと思うのは当然のことです。
しかし、「結婚生活が継続できない重大な理由がある場合」のみが裁判で認められる離婚理由で、協議離婚が不成立に終わった場合にはどのような理由であれ法にのっとった判決が下されます。
結婚が継続できない重大な理由って?
浮気や不倫など、同一の相手と長期にわたる不貞行為の証拠があり、それが原因で夫婦関係が悪化したとする明確な理由と証拠が揃えば、重大な理由として離婚が認められます。
例外として、たった1回の不貞行為でも離婚が認められるケースもあります。
それは、浮気相手が妊娠した場合や不特定多数の人と日常的に関係を持っていることが明らかな場合、浮気や不倫、風俗通いで多額の借金をしているなどで「結婚を継続できな重大な理由」として判断される為、離婚が認められます。
ここで、もっとも注意したいのが借金が理由になる離婚です。
夫婦財産制度にもあるように、日常家事債務については夫婦で連帯責任を負うことが条件となり、住宅購入の為のローンや家計を支えるための借金、リストラによる借金を理由にした離婚は認められません。
夫婦財産制度って?
借金を理由に離婚を申し出る場合は、夫婦財産制度の意味を理解しておくことがスムーズな離婚には必要です。
夫婦財産制度には契約財産制度と法定財産制度があります。
契約財産制度とは、婚姻届を行なう前に夫婦の共同生活の費用の管理方法などを詳しく取り決めるもので、公正証書にその内容を記載し法務局に登記することができます。
万が一借金が原因の離婚問題になった場合の証拠として活用できますが手続きがとても複雑かつ、婚姻届前に大きな財産を所有することも無い為、一般的には活用されていないのが現状です。
ただし、子連れ結婚や熟年結婚、資産が莫大にある方の結婚については結婚後の借金や財産問題でトラブルになる危険性もありますので、専門家に相談し財産管理の取り決めを行なうようにして下さい。
一方法定財産制とは、夫婦共有の財産で結婚期間中に二人で得た財産をいいます。
例えば、「給料」「車」「家」などが一般的で、万が一車や住宅が夫名義だとしても夫婦共有の財産と認められます。
そのため、車や住宅ローンの支払いが家計を圧迫しているなどの理由で、離婚を申し出ても裁判では正当な理由として認めることはありません。
借金が離婚原因として認められるケースは?
では、日常家事債務には含まないその他の借金が原因で、結婚生活が破綻に追いやられている場合には離婚はできないのでしょうか。
例えば、妻の買い物癖による散財、夫のギャンブルによる借金返済が原因で生活を圧迫している状況で考えて見ましょう。
裁判所では、単に多額の借金があるからという理由では離婚を認めません。
ただ、以下の場合には離婚が認められます。
借金返済のため長期間生活費を入れない、借金から逃れる為に借金の支払い義務がある人が夜逃げ、もしくは生死不明が3年以上の場合、借金が原因で夫婦ケンカが多発、夫のDVなどがあります。
単なる「借金」では離婚は難しくても、生活を維持できないほどの理由が明らかにできれば、裁判離婚でも認められる理由になるでしょう。
借金やお金の問題で離婚を悩んでいる方
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